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国内未承認の薬(抗がん剤)

新薬の有効性と危険性

海外でも承認・認可されて使用されている抗がん剤の中には、日本ではまだ厚生労働省から認可されていない抗がん剤も少なくありません。
患者さんが受けている現在の治療の効果がはかばしくなければ、患者さんや家族の中には、海外で使われている国内未承認の薬を使いたいと考える人も出てきます。
海外で先行して認可された新薬が、従来の薬と比べて明らかに治療の効果が高いこともあります。
またがんによっては、国内で承認された薬は、ほとんど治療効果がなく、唯一効果の見られるものが、未承認薬(未認可薬)であることもあります。
多発性骨髄腫が再発すると治療は極めて困難ですが、未承認薬のサリドマイドは再発した、患者さんでも治療効果が得られることがあります。
反面、未承認薬の使用によって問題やリスクも生じます。
厚生労働省が承認(認可)する新薬は、国内で数段階の臨床試験(治験)を経て、安全性や治療効果が認可されています。
しかし、未承認薬は、国内の臨床試験を経ておらず、使用例も少ないので、重大な副作用が生じたときの対処法を医師が把握していないこともあります。
未承認薬は、化学療法の経験が豊富な医師や専門医の元で、使用することが大切です。欧米人には安全な薬も日本人に安全とは限りません。
効果が認められた抗がん剤も、すべての患者さんに効くとは限りません。
抗がん剤は、基本的に個々の患者さんに使用するまで、実際に効果があるかどうか分かりません。
日本では、未承認薬の代替として、承認済みの性質の似ている別の抗がん剤を使用することで、効果がある場合もあります。
患者さんは、未承認薬の持つ、治癒や延命に可能性だけに目を向けないで、副作用などのリスクを 理解して、主治医や化学療法の専門医(腫瘍内科医など)とよく相談して、未承認薬を使うかどうかを決めなくてはなりません。

未承認薬のおおきな問題は費用

未承認薬の使用は、保険外診療となります。
これまでは、未承認薬をひとつでも使うと、日本の公的保険制度では、他の保険内診療もすべて、自己負担となり、医療費は高額になります。
この場合には、全額が保険外診療となるので、高額療養費制度による医療費の払い戻しを受けられません。
通常は、1ヶ月10万円程度となる医療費が、100万円以上に上ることもあります
未承認薬を使用しても経済的に負担が重くならないようにする方法は、臨床試験(治験)への参加があります。
臨床試験に参加ができれば、直接的な費用は通常は無料となり、他の診療にも保険が適用されます。
新薬を使用とするための臨床試験では、登録が必要になり、参加人数も限られています。
製薬会社が厚生労働省に薬の承認を申請してから認可されるまでの1〜2年内に、がんと診断された人は、その臨床試験には、参加できません。
こうした問題を背景に、欧米で認可された抗がん剤の一部は、混合診療を認める方針が打ち出されました。
混同診療が認められる未承認薬は、未承認薬使用問題検討会議で、患者さんにとって必要性が高いと評価された薬だけです。
これらの未承認薬を混同診療として受けるには、製薬会社や医師が主導する追加的治験や、安全性確認試験という特別な臨床試験に参加することになります。
追加的治験は、正規の臨床試験中に参加できなかった患者さんが対象となり、一方、安全性確認試験の対象は、承認申請中の薬を使用したい患者さんです。
これらの特別な臨床試験では、未承認薬による治療は、自費(保険外診療)ですが、それ以外の治療は、保険内診療となります。
サリドマイド、ベメトレキセド、ベバシズマブなど複数の抗がん剤について、追加的治験や安全性確認試験が行なわれています。

未承認薬の治験関連

厚生労働省・未承認薬の輸入について
厚生労働省・未承認薬の治験と照合先
国立がんセンターがん対策情報センター・未承認薬の情報
混合診療の対称となっていいない抗がん剤について、医師の処方箋があれば、個人輸入して使用することは、法律上は問題ありません。
医師の管理の元に使用しないと、大きな危険が生じます。
必ず、主治医とよく相談し、個人輸入する際には、医師に依頼するか、医療機関を通じて信頼できる個人輸入業者を紹介してもらほうがよいです。
個人輸入したい、医療薬を使用してかえって、症状を悪化した、あるいは体に異常が現われたなどの問題が生じたときでも、患者さんを救済する制度(患者救済制度)は適応されません。
患者さんの慎重さが求められます。

患者救済制度

医薬品副作用被害救済制度。
病院で処方された医薬品や市販薬を正しく使用したが、重い副作用(入院をようする、日常生活が制限される、死亡する)が生じる場合の救済制度。
ただし、抗がん剤など特殊な疾患に使われる薬は対象外。

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