転移と再発
どんながんが転移・再発しやすい
がんは、細胞が際限なく増え続ける病気
アメリカ国立がん研究所では
がんはひとつの病気ではなく、細胞が異常に増え続けるという
性質を持つ100種類以上の病気の総称とされています。
一口にがんといっても性質はさまざまに異なり、早いうちから転移や浸潤を始めるがんも、あれば、ゆっくりと成長し、あまり転移しないがんもあります。
転移しやすいがんには
乳がん
骨肉腫
悪性黒色腫(メラノーマ=皮膚がん)
周囲の組織に浸潤しやすいがん
卵巣がん
スキルス(特殊な胃がん)
スキルスとは、分化度(成熟度)の低い腺がんの一種。
がん細胞の数に対して周りの組織細胞が多く、非常に硬いがん。
卵巣がんは、卵巣だけにとどまることはなく、早い段階で子宮に広がり、進行すると大腸などにも進行します。
一般的には、転移しやすい浸潤が早く始るがんは、再発もしやすいといえるようです。
再発は多くの場合、他の臓器やリンパ節に転移または、浸潤したがん細胞が治療後に患者の体内に残るためです。
そこで、転移や浸潤しやすいがんの場合は
手術前または手術後に化学療法(抗がん剤治療)や、放射線治療などの補助療法を行なって、がんが残らないようにします。
こうした補助療法が大きな効果を発揮するものに、乳がんや骨肉腫などがあります。
これらのがんは、かつては再発の多いがんでしたが、今では効果の高い抗がん剤の組み合わせが見つかっているため、がんの進行度によるものの、補助療法によって再発をある程度予防することができます。
それだけでなく、食道がんの理由
肝臓がんや食道がんは再発しやすいとされています。
血管が網の目のように広がる肝臓内では、がんは転移しやすく、それが見過ごされると後に再発することになります。
しかし、再発より大きな原因は
肝臓がんの患者のほとんどが、肝炎ウイルス(B型、C型)に感染していることもあります。
手術で完全にがんを取り除いたとしても肝炎ウイルス(特にC型)の活動によって肝臓ががん化になりやすい状態は残り、第2、第3のがん(二次がん)が発生することが少なくありません。
肝臓がんの場合
再発と二次がんを見分けることは容易ではありません。
二次がんであっても再発と呼ばれます。
食道がんも、広い範囲のリンパ節転移や食道内のスキップ転移を起こしやすく、再発しやすいがんです。
それだけでなく、食道がんの主な原因は、継続的な飲酒と喫煙があり、これらによって食道の組織はがん化しやすい状態になっています。
そのため、食道がんも肝臓がんと同じで二次がんを発生しやすいです。
生活の質と再発
治療法もまたがんの再発と関係しています。
臓器の機能をできるだけ温存したい、あるいはその臓器がないと生命が維持できないとき、手術などの治療は、最小限に抑えられます。
このような場合は、手術後にがん細胞が取り残され可能性があり、再発率が高くなります。
直腸がんで肛門・排尿・性(勃起)の機能を残したときや、膀胱がんで、がん組織のみを切除したときにはその後の「生活の質」QOLは、高くなりますが、再発することもあります。
肝炎と肝硬変
原発性肝臓がん(肝細胞がん)の80%は肝硬変がんが進展して発症します。
肝硬変は、さまざまな原因で肝臓を作っている細胞(肝細胞)が繰り返し損傷することによって発症するとされています。
アルコールの長期間の多量摂取、肝炎ウイルスの感染、薬物や毒物の長期摂取、自己免疫、胆汁のうっ血などです。
肝硬変をもっとも引きやすい原因は、肝炎ウイルス(B型、C型)の感染です。
肝炎ウイルスに感染すると、肝臓を作っている細胞が炎症を起こして、肝炎となり、最終的には、細胞が繰り返して「肝硬変」になります。
肝硬変になるまでには、長い時間がかかります。
これは肝臓が非常に大きな臓器で機能的に余力があり、損傷しても再生する能力を持っているためです。
肝硬変が30〜40年もかけてゆっくり進行している間、ほとんど自覚症状がありません。
損傷していない肝細胞が必要な機能を維持しているからです。
しかし、肝硬変を起こした部分が広がっていくにつれ、疲れやすい、食欲や体力が低下したなどの症状が現われます。
健康片が広がると、腹水やむくみ、黄疸、皮膚のかゆみ、胆石、出血傾向、肝性脳症(精神意識障害)、食道血管の出血、胸や顔の赤い斑紋(クモ状血管腫)などが現われてきます。
肝硬変に対しては、治療法が見つかっていません。
最終的には、肝臓完全に機能を失って死に至るか、あるいは肝臓がんを発症することになります。
そうなる前に治療を始めて、進行をある程度遅らせることができます。
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