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乳がん転移・再発時の治療

乳がんは、全患者数の5年生存率80%と高い

他方、乳がんは全身に転移しやすいという性質を持ち、離れた臓器に転移すると生存率は著しく低くなります。
乳がんは比較的早い段階で、周囲のリンパ節やわきの下のリンパ節に転移を始めます。その後血流に乗って肺や肝臓、脳、骨などに転移します。
ホルモン剤や抗がん剤による治療の進歩により、乳がんの再発は低下しています。しかし治療後5年以上経過してから再発することもあります。
乳がんや胸壁に再発したがん(局所再発やリンパ節における再発なら、手術と化学療法を含む)によって完治または、長期の生存を期待することができます。 肺や脳、骨、肝臓などの臓器への転移や再発では、化学療法が中心になります。
このとき、がんがエストロゲンやプロゲステロンなどの女性ホルモンや、HER2という物質に対して反応するかどうか(感受性の有無)により、使用する抗がん剤が変わります。
乳がんが遠隔転移したときには、転移したがんの大きさや範囲によるものの、通常、治療によって1年半〜2年くらいの延命を期待することができます。
乳がんは化学療法の効果が比較的高いので、5年以上生きる患者さんも少数ながら見られます。

転移・再発の治療 ホルモン療法

閉経後に乳がんを発症した女性では、がんが女性ホルモンに反応して成長することが多いようです。
このような症例に対しては、ホルモン療法を選択します。
脂肪細胞が女性ホルモンを作る働きを抑える薬です。
すでにホルモン療法を受けた患者さんでは、治療効果が低いこともあり、その場合は、抗がん剤による治療を検討します。
閉経前に、発症した女性に対しては一般に、女性ホルモンの活動を抑える薬、女性ホルモンの効果を抑える薬を併用します。
卵巣を手術で摘出することもあります。

化学療法(抗がん剤治療)

がん細胞がホルモンに反応しないときには、抗がん剤による治療を行ないます。 がん細胞の体力や最初の治療で使用した、抗がん剤の組み合わせを決めます。

分子標的薬

がんがEGF(上皮細胞成長因子)に反応して成長するときには、ホルモン剤や抗がん剤を加えて、分子標的薬を用います。
これはEGFも受け取るHER2の作用を妨げる薬です。

手術

局所再発がんが切除できるときや肺や脳に転移したがんが1つだけでサイズが小さいときには、手術を検討することがあります。
手術後には、抗がん剤やホルモン剤による治療も行なわれます。
最初は手術ができない状態でも、化学療法が効果を発揮して、がんが十分に小さくなれば手術することもあります。
この場合、完治する例もあります。

放射線治療

脳に転移したがんに対して、定位照射や全脳照射を行ないます。

乳がん緩和療法

乳がんは、骨(胸骨や肋骨、胸椎など)に転移することが少なくありません。
その痛みは非常に強いため、痛みをやわらげることが重要になります。
一般には、転移した場所に放射線治療を行なうとともに、ビスホスホネート剤を投与します。
ビスホスホネート剤は、骨ががんの刺激によって溶けることを妨げる作用を持っています。
がんが肺に転移したときには、咳を抑える薬や酸素吸入を行ないます。
その他、がんが周囲に組織や臓器を圧迫したときには、症状をやわらげるためにがんを切除することがあります。

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